もののけ姫

もののけ姫「シシ神の首」をなぜエボシは狙った?たたらばと天皇(帝)どっちの味方?

もののけ姫 シシ神の首
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1997年の公開以来、多くのファンに愛されてきた『もののけ姫』。

もののけ姫は人間と自然のテーマが複雑に絡み合い、深いメッセージが心に響きますよね。

そんな本作で重要な役割を担うのがエボシ

ぴよ吉
ぴよ吉
エボシは意外と人気が高いキャラクターでもあるよね!

エボシはたたらばと呼ばれる工房の集落をまとめる女性指導者で、森に住むサンや山神と敵対しています。

そんなエボシは、シシガミの首を狙い神殺しを計画していますが、なぜシシガミの首を狙ったのでしょうか?

そこには単純な理由だけではなく、天皇(帝)との関係があるのでしょうか。

天皇からの勅命によりシシ神の首を狙ったジコ坊との接触があることから、エボシはたたらばと天皇(帝)どっちの味方なのか疑問に思う方も多いはず。

そこで今回は、エボシがなぜシシガミの首を狙ったのか、彼女の目的は何なのか徹底調査していきます!

 

もののけ姫「シシ神の首」をなぜエボシは狙った?


冷静沈着で頭脳明晰な指導者エボシ。

エボシはなぜシシガミの首を狙ったのでしょうか。

ぴよ吉
ぴよ吉
わざわざ神殺しまでしなくても・・・。

本作は人間と自然の対立図を描いていることから、森の主であるシシ神を狙うことで森を切り崩しやすくして、人間が生きやすいようにエボシは遂行したのかもしれません。

ただ、単純な理由だけではなく、邪魔者は神であっても容赦しないエボシの性格からシシ神の首を狙ったのではないかとの説も。

実際に宮崎駿監督もエボシについて発言しているので、詳しく見ていきましょう!

 

権力と支配の欲望


行き場を失くした女性たちをタタラバで匿う優しさも併せ持っているエボシ。

しかし、宮崎駿監督はエボシについて『エボシは自分が考えている王道楽土を作りたいだけであって、邪魔が入れば殺す事も、自分自身を犠牲にする事もいとわない性格だ。』と述べました。

そのためエボシはシシガミの首を手に入れることで、さらに権力を手に入れ森を完全に支配しようとしたのかもしれません。

ぴよ吉
ぴよ吉
完全なる独裁者だ・・・。

どの組織でも同じですが、相手方のトップを倒すことで自分自身の力の誇示にもなり、絶対的な権力を示すことになりますよね。

エボシはタタラバと森の両方でトップに立ち、完全なる支配を望んでいたのでしょう。

 

タタラバの経営と発展のため


エボシはタタラバの支配者であり、森の資源を利用して大きな利益を得ようとしていました。

そのため、森の主であり命を司るシシ神の存在は、エボシが築き上げたい国作りの邪魔になったのではないでしょうか。

シシ神を討ち、森の勢いが弱くなれば森を更に開拓し、エボシが描く豊かな国になりますよね。

ぴよ吉
ぴよ吉
エボシは単純に権力を振りかざしたいわけではなく、タタラバの発展を強く望んでいたってことかな・・・。

己の作った国を守り、より一層豊かにするため、命の危険を承知でエボシはシシガミの首を取りにいったと考えることもできますね。

 

【もののけ姫】エボシはたたらばと天皇(帝)どっちの味方?


エボシはたたらばをまとめるリーダーですが、一見残酷で薄情なイメージがありますよね。

ぴよ吉
ぴよ吉
確かに冷酷なイメージでちょっと怖い部分があるよね・・・。

エボシが企ているシシ神退治は「天朝さま」の命令であると描かれていることから、エボシはタタラバと天皇のどちらの味方なのでしょうか。

ぴよ吉
ぴよ吉
誰かの意図で動いてるのかな・・・。

ただ、エボシは村の女性たちを匿って優遇している様子があり、侍社会をぶち壊したい思想があります。

また、「アサノ公方」率いる地侍たちとは敵対関係にあったことから、天皇の味方ではなく、単にタタラバを守り繁栄させることが目的であり、いちばんのタタラバの味方であるのではないかと読み取ることができますよね。

物語の人物関係を調査しながら、詳しく見ていきましょう!

 

天皇とは取引している?


エボシがリーダーであるタタラバでは、人間の弱者を救い、発展するために森を切り開いて鉄や火縄銃を作っています。

しかし、作った鉄はアサノ公方率いる侍たちに狙われ戦争で使用されていることから、自分が助けたいとしている奴隷や、病気による弱者を逆に増やしている矛盾にエボシは葛藤。

エボシはそんな侍社会を根本的に変え、タタラバの自治を天皇に認めてもらいたい願いがありました。

一方天皇は、不老不死の効果があるという噂のシシ神の首を欲していたことから、直々の部下であるジコ坊に神殺しを命じることに。

ぴよ吉
ぴよ吉
エボシは森を切り崩してタタラバを繁栄させたい願いから森の神が邪魔であり、天皇は単にシシ神の首が欲しいってことなんだね!

そんなエボシとジコ坊は利害関係が一致し、シシ神の首を狙うことになりました。

そのため、エボシは天皇の味方というより、自分の望みを叶えるために要求をのんだいわゆる取引した状況と言えますね。

 

タタラバのいちばんの味方


本作の裏側を見れるドキュメンタリー映画『「もののけ姫」はこうして生まれた。』によると、エボシ御前には本編で描かれていない設定が存在しています。

エボシは身売りにされた女性をタタラ場で匿っていますが、実はエボシ自身も海外へその身を売られていた過去が。

その後中国の海賊に買われ、倭寇の頭目の妻となりますが、エボシは頭目を殺し、財宝と最新の技術を奪って戻ってきます。

ぴよ吉
ぴよ吉
エボシ強すぎる!

このような過去があったからこそ、社会的弱者にかつての自分を重ね、自分と同じような境遇の女性や苦しむ人々の救済を目指すようになったというのが、宮崎駿監督の考えたエボシ像のようです。

そのためエボシは時に冷酷な判断を下しますが、目的は最初からタタラバを繁栄させタタラバのいちばんの味方であったのでしょう。

ただ、エボシは自身の片腕を失うなど神退治に乗り込んだことで多大なる代償を払いました。

それでも終盤で、エボシは「はじめからやり直しだ。ここをいい村にしよう」と晴れやかな表情でみんなに語り掛けたことから、これから良い未来が築かれることに期待したいですね。

 

まとめ


今回はもののけ姫の中心人物であるエボシがなぜシシガミの首を狙ったのか調査していきました。

一見冷酷で薄情であるエボシは何の目的があり、なぜシシガミの首を狙ったのか謎に思っていた方も多いはず!

ぴよ吉
ぴよ吉
ジブリは謎が多いよね・・・。

エボシはタタラバのリーダーであり、森の資源を利用して大きな利益を得ようとしていたことから、森の主であるシシ神は国づくりの邪魔になったのではないでしょうか。

自分の作ったタタラバを更に豊かにするために、神殺しに協力したのですね。

一方天皇はシシ神の首には不老不死の効果があるとされ、天皇が保持することによって衰退していた帝の権威を取り戻そうとの狙いがありました。

エボシは帝にタタラバの自治を認めてもうらためにも、神殺しに協力する形となるので、いわゆる天皇とは取引した状態。

ぴよ吉
ぴよ吉
エボシはたたらばのいちばんの味方であり、村を守り抜くための決断だったんだね!

もののけ姫では森と人間の対立図だけを描いているわけではなく、こうした人間同士の権力争いから森や自然が犠牲になっている構図を警告として表現しているようですね。